482.恥公の読まずもがなの記●FDR:THE OTHER SIDE OF THE COIN(其の二) ( 秋 )

皇紀二六七八年 平成三十年九月十二日

482.恥公の読まずもがなの記●FDR:THE OTHER SIDE OF THE COIN(其の二)

FDR:THE OTHER SIDE OF THE COIN

How We Were Tricked into World War Ⅱ

ルーズベルトの開戦責任』

著 Hamilton Fish (1888~1991) 訳 渡辺惣樹そうき (1954〜) 草思社2014

●(其の二)

「訳者あとがき」より抜粋

 本書の日本語訳の発表が奇しくも2014年になったことも何かの因縁であると私は思っている.この年は第一次世界大戦勃発から百周年にあたる.ヒトラーポーランド侵攻(1939)から始まったヨーロッパの戦いも,真珠湾攻撃(1941)から始まった太平洋方面の戦いも,その原因は第一次世界大戦にあった.

しかし,あの戦争の原因はよくわからない.昨年(2013)頃からアメリカやカナダの書店には,あの戦争の原因を探る書が溢れ始めた.それらを読んでも原因をピンポイントに説明できない.

 オーストリア皇太子夫妻の暗殺事件は確かにきっかけとはなった.しかしヨーロッパ諸国が戦いを始めるきっかけとなり得る事件はそれまでにも多々あった.モロッコでもバルカン半島でも複数回の衝突危機があった.

なぜその時には自制したヨーロッパ諸国が1914年6月の暗殺事件では抑制的態度がとれなかったのか.書店に並ぶ多くの書は懸命にそれを解き明かそうとするが,どれも腑に落ちないあとづけの説明でしかない.

 暗殺事件の起きた日曜日(1914年6月28日)はのんびりしたものであった.暖かい陽気に恵まれたパリ郊外のロンシャン競馬場には,ポアンカレ大統領が訪れ,その横には駐仏オーストリア大使の姿もあった.

ドイツのキール軍港ではイギリス艦隊が表敬に訪れ親善行事を繰り広げていた.そこにはご自慢のヨットでかけつけたヴィルヘルム二世の姿があった.ドイツ参謀総長モルトケも温泉療養に出かけていた.

ヨーロッパのどこにも緊張した雰囲気は見られなかった.それにもかかわらず,皇太子暗殺事件をきっかけとしてヨーロッパ諸国は戦いを始めてしまった.そこにいたるまでの彼らのさまはまるで,ふらついて歩く「夢遊病者sleepwalkers」のようだった(クリストファー・クラーク).

 

 原因をピンポイントで説明できない戦いに,どの国が不正義を働いたかなど決められるものではない.しかし,アメリカの支援を取りつけることを外交目標としてきたイギリスは,ドイツを完全な悪玉にするプロパガンダに成功した.フィッシュが命をかけた戦いも,所詮はイギリスに利用されたアメリカの参戦がもたらしたものだった.

アメリカが参戦さえしなければ,ヨーロッパ諸国の力関係でどこかに落とし所を見出していたに違いない.彼らは国境の線引がいかに難しいか熟知している.彼ら自身が戦争の終結のための線引をしていれば,あとに残る恨みも少なくなったはずであった.

・・・英チェンバレン首相の対独宥和政策は弱腰外交の代名詞となっているが,それは正しいい評価なのか.ドイツとの宥和政策が成功していれば,ドイツはソビエトに矛先を向ける可能性が高いとみていた多くの政治家の存在はなぜ隠されているのか.ドイツとソビエトの戦いの必然性を理解していた政治家にとっては,ドイツが独ソ不可侵条約を結んでもなおソビエト侵攻(1941年6月)に打って出るだろうことは予想できた.

(以下略)

恥公・・・ハミルトン・フィッシュは愚直とは言わないが,正義感の強い愛国者だったようだ.結果として彼はルーズベルトにハメられ騙されたようになってしまった.この書は彼の回想録であり自伝でもあるようだ.だから当然己に不利になることは書かない.本当の意味でのTHE OTHER SIDE OF THE COINのことは書いてないように感じる.またHIROSIMA NAGASAKIのことは書いていない.

 FDRルーズベルトの「恥辱の日」演説「・・・私は議会に対して1941年12月7日日曜日の,挑発されていないにもかかわらず,我が国を卑劣にも攻撃した事実をもって,合衆国と大日本帝国は戦争状態に入ったことを宣言するように求める」

 これがアメリカ流のやり方なのだろうが「欺瞞の塊」である.日本と戦争をしたくて,締め付けや嫌がらせで挑発して,日本を戦争に引きずり込むという「やってはいけないことをやった」のはルーズベルトであったことは既に明らかになっている.

(ただし,アメリカ国民の大多数はこのことを今でも知らない.マァ〜彼らにとってはどうでもよい事なのだろう)

 私達が究明しなければならないのは「ルーズベルトは何故陰謀を巡らしてまで戦争をしたかったのか」ということで,おかげさまで日本は「ヒデエ目」にあったのですから.そしてそれが日本国憲法と言われているものの存在に象徴されるように,呆れ果てるといってもいいほど七十年以上経った今でも続いています,日本人は経済的には発展したかも知れませんが,歴史と伝統と文化を否定する洗脳を受けたために大和魂はとうとう風前の灯になってしまいました.

 愚犬思ふに・・・アメリカには日本人が考える「正義」など無いのでしょう.力の強いものがすべてを取る・・・それが彼らの「正義」なのです.

ただし,それはアメリカ人の総意ではないようです.アメリカでは戦前から偽ユダヤ資本に牛耳られてきたことが現在に続く底辺の流れにあるようです.いわゆる軍産複合資本グローバリストは共産主義思想を持ち(ごく一部の資本家による奴隷支配の警察国家,現時点ではChinaがこれに近い,ソ連は1991年に崩壊した),国際連盟国際連合もその流れに沿って創られました.EUなんてグローバリズムそのものではないですか.

 ここに来てアメリカやヨーロッパの国民は気づき始めたのでしょう(我が国も早く気がついてほしいですナ〜).二年まえにトランプが出てきたのはその表れです.世界の振り子がグローバリズムからナショナリズムに向けて反対に振れ始めました.

 愚犬はトランプに期待していますが,アメリカはそうは言っても問題の多い国ですからどうなるか判りません.彼は既存のグローバリズム利権保守勢力から猛烈なる攻撃を受けながらも,彼らに対峙しようとしています.ぜひ安倍晋三首相(トランプと同じように左翼利権保守勢力からいわれのない攻撃を受けている)と一緒になって頑張ってもらいたいと思います.

 1933年から続く対日外交は,和平のためでは無く理解しがたい中国への偏重と、過度な経済制裁によって日本の経済を破壊し、日本からの和解の提案に対してはこれを一切無視することで、日本を追い詰め最後に最後通牒を通帳を突きつけた.日本にはアメリカへの隷属かもしくは戦争かの二者択一の選択肢しか残らなくしてしまったのである.

もしアメリカが当時の日本と同じように追い詰められたら開戦以外の選択肢は考えられないだろう.

「恥辱の日」はアメリカ様にお返し申し上げよう.

●ご参考までに・・・永野修身

・・・会議後、永野は統帥部を代表する形で「戦わざれば亡国と政府は判断されたが、戦うもまた亡国につながるやもしれぬ。しかし、戦わずして国亡びた場合は魂まで失った真の亡国である。しかして、最後の一兵まで戦うことによってのみ、死中に活路を見出うるであろう。戦ってよしんば勝たずとも、護国に徹した日本精神さえ残れば、我等の子孫は再三再起するであろう。