平成30年度全国学力・学習状況調査
昨日、国立教育政策研究所から「平成30年度全国学力・学習状況調査の結果」が発表されました。報告書(概要)を読んでみると、中学校の国語では、目的に応じて文章を読む際などに、情報を整理して内容を的確に捉えることに課題がある。文の成分の順序や照応、構成を考えて適切な文を書くことに課題がある。中学校の数学では、事象を数学的に解釈し,問題解決の方法を数学的に説明することに課題がある。 数学的な結果を事象に即して解釈することを通して、成り立つ事柄を判断し、その理由を数学的な表現を用いて説明することに課題がある。さらに中学校の理科では、実験や条件制御などにおいて、自分や他者の考えを検討して改善することに課題がある。自然の事物・現象に含まれる要因を抽出して整理し、条件を制御して実験を計画することに課題 がある。といった指摘が並んでいます。
具体的な問題は、別紙で確認できますが、各教科で課題に挙がった事柄はいずれも、大学入試センター試験に代わる新テストの試行問題でも試そうとしていた力です。
今回の結果を見ると、新しい学力観に沿った学ばせ方への転換は、まだ道半ば/これからが勝負といったところではないでしょうか。
中学校3年の段階で、こうした学力傾向が見えた以上、日々の教育活動の中で、それぞれの力を養う場面を作らなければなりませんし、来年度以降のカリキュラムや指導計画を考えるときには、そうした場面を授業に組み込むことを前提にしておく必要があると思います。
また、来春の入学者選抜でも、自校を志している生徒が、如上の課題をどこまで克服しているのかを確かめられるような入試問題を用意しなければいけないのではないでしょうか。
どんな力を身につけた生徒が入学してきているのか把握できないことには、その後の指導の計画が立てられないからです。
先生方におかれては、夏休みも十分以上にご多用ですが、2学期に入ってしまうと、検討の時間を持つのはさらに難しくなります。
例年より1カ月早く結果をが公表されましたが、この1か月間をどう活かすかは、学校にとっても、個々の先生にとっても重要な意味を持つような気がします。
私も、これからじっくり発表資料を読み直してみようと思います。
教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一
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